医療AIが画像診断を
サポートする未来

医療AIと親和性の高い画像診断領域。医師の手足となり、放射線診断専門医をサポートする未来が期待されています。「未来の医療の形」として研究が進むAI画像診断技術についてまとめました。

医療AIとは

医療AIとは、医療分野における人工知能（Artificial Intelligence）を指します。具体的には、ゲノム医療、医療情報、画像診断、創薬、医療経済、看護、介護領域といったもの。画像診断領域においても非常に親和性が高く、技術の発展・進化が期待されています。

医療AIについて、多くの期待はされているものの、位置づけについては移行期であると言えます。

厚労省が2019年に「AIは支援ツールであり、最終的な判断は医師」と明言（※1）していることからも、医療AIに対する役割の期待はあくまでも医師の「判断見落とし防止」をサポートするものに留まっていることが分かります。

医療AIの能力は、ディープランニングの特徴から、データが集まれば集まるほど、将来の活躍が期待できます。

国境を超え、簡単にデータのやりとりが可能となった今、より一層情報を拡大させ、AIの精度向上が加速していくことが予想されます。

中には「医療AIが、放射線科専門医に取り替わってしまうのでは」と疑念を持たれる方もいらっしゃるでしょう。

たしかに、放射線医学は多数のモダリティとの関係があり、AIとの親和性が高いため、医療AIが進化すればするほど、放射線科医療の分野で画像診断の精度が向上すると予測されます。

しかし、医師に技量が求められるのは、これまでの時代と変わりません。AIの診断について、最終的に判断するのは「人間である医師」とされているのは、間違いない事実です。

放射線診断専門医と医療AI、双方の良いところを織り交ぜながら共存する未来こそ、将来を見据えた理想的な付き合い方だと言えるでしょう。