本記事では便宜上、保険医療機関間で行う遠隔画像診断を『医療機関間連携型』、読影会社等の外部事業者へ読影を依頼する形態を『企業委託型』として紹介します。
令和8年度診療報酬改定においても、遠隔画像診断による画像診断管理加算は、所定の施設基準に適合し、地方厚生局等へ届け出た保険医療機関間で行われた場合に限り算定対象となります。医療機関間連携型と企業委託型では診療報酬上の扱いが異なるため、導入前に違いを整理しておくことが重要です。
令和8年度の医科点数表では、画像診断管理加算1〜4に加え、遠隔画像診断における「画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)」が新設されています。加算区分ごとに対象となる画像診断や施設基準が異なるため、自院がどの届出要件に該当するかを確認しましょう。
| 加算区分 | 点数 | 主な対象・考え方 |
|---|---|---|
| 画像診断管理加算1 | 70点 | 一般撮影、CT、MRIなどの画像診断について、月1回に限り算定 |
| 画像診断管理加算2 | 175点 | CT、MRIなどの画像診断について、月1回に限り算定 |
| 画像診断管理加算2 (一部委託を行う場合) |
166点 | 保険医療機関間で行う遠隔画像診断において、送信側・受信側の届出要件や委託割合2割以下など、一定の要件を満たす場合に算定 |
| 画像診断管理加算3 | 235点 | CT、MRIなどの画像診断について、月1回に限り算定 |
| 画像診断管理加算4 | 340点 | CT、MRIなどの画像診断について、月1回に限り算定 |
| 改定年度 | 一部委託の扱い | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 令和6年度 | 画像診断管理加算2に「一部委託を行う場合」の独立区分は示されていませんでした。 | 画像診断管理加算2を算定する場合、読影又は診断の外部委託は原則として認められない整理でした。 |
| 令和8年度 | 画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)として166点の区分が示されました。 | 保険医療機関間の遠隔画像診断を前提に、送信側・受信側の届出状況や委託割合2割以下などの要件確認が必要です。 |
画像診断管理加算を算定するには、画像診断を専ら担当する常勤医師の配置、画像診断結果の文書による報告、所定の施設基準への適合、地方厚生局等への届出などが必要です。
一般撮影、CT、MRIなどの画像診断が対象。画像診断を専ら担当する常勤医師が診断を行い、結果を文書により報告する体制を有していること。
CT、MRIなどの画像診断が対象。画像診断管理加算1よりも高度な画像診断管理体制が求められます。
CT、MRIなどの画像診断が対象。より高度な画像診断管理体制を有し、常勤医師による読影・診断体制を整えていること。
CT、MRIなどの画像診断が対象。特に高度な画像診断管理体制を有し、安全管理や品質管理を含めた施設基準に沿った運用体制が必要です。
「医療機関間連携型」の遠隔画像診断サービスとは、読影会社などの外部事業者ではなく、施設基準に適合して届け出た保険医療機関間で行われる遠隔画像診断を指します。
遠隔画像診断による画像診断管理加算を検討する場合は、画像を送信する側と受信する側の双方が以下の条件を満たす必要があります。
送信側の保険医療機関において、撮影料、診断料、画像診断管理加算を算定する整理となります。そのため、受信側との役割分担や費用の取り決め、診断結果の報告方法をあらかじめ確認しておく必要があります。
※読影会社など企業への外部委託を広く意味するものではありません。
読影会社など、送信側・受信側の保険医療機関以外の外部事業者へ読影又は診断を委託する形態は、原則として画像診断管理加算の算定対象とは別に整理する必要があります。令和8年度改定で新設された「画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)」も、保険医療機関間で行う遠隔画像診断を前提とするものであり、読影会社への企業委託を広く認める趣旨ではありません。
企業委託型のサービスは、診療報酬上の加算取得ではなく、以下のメリットを目的として導入を検討することが大切です。
医療機関間連携型と企業委託型は、どちらが優れているというものではなく活用目的が異なります。加算の算定を視野に入れる場合は「医療機関間連携型」の要件を確認し、柔軟な読影体制や業務効率化を重視する場合は「企業委託型」を活用するとよいでしょう。
放射線診断専門医の確保が難しい医療機関や、CT・MRIなどの検査体制を効率化したい医療機関にとって、外部インフラの活用は有効な選択肢となります。
ワイズ・リーディングでは、医療機器の共同利用によるインフラサービスと遠隔画像診断サービスを組み合わせた「地域連携ソリューション・画像診断プラットフォーム」を提供しています。地域のクリニックや検査施設が、クラウド上で施設間のCT・MRI画像を共有し、必要に応じて放射線診断専門医による画像診断レポートを活用できる仕組みです。
医療機関は自院だけで画像診断体制を完結させるのではなく、外部の専門的な読影体制や画像共有の仕組みを活用しながら、検査・読影業務の効率化を図ることが可能です。また、読影レポートを依頼せず、施設間で画像を共有するインフラサービスのみを利用することもできます。
画像診断の現場では、人工知能(AI)関連技術を活用した画像診断補助ソフトウェアの導入が進んでいます。こうしたソフトウェアは、画像診断の質向上や業務効率化につながる一方で、診断結果の確認体制や責任範囲、安全管理の考え方を明確にしておくことが欠かせません。
画像共有システムや画像診断補助ソフトウェアを利用する場合は、画像診断管理加算の算定要件とは別に、関係学会の指針や院内の運用ルールを踏まえ、医療情報の安全管理、診断結果の確認体制、システム運用の継続的な管理(添付文書や院内規程に沿った運用)を確認することが大切です。
画像診断管理加算は、施設基準や届出、常勤医の配置、文書による報告、保険医療機関間での連携など、算定にあたって細かな要件が定められています。令和8年度改定では、遠隔画像診断における「画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)」の考え方も含め、送信側・受信側それぞれの届出状況を正しく把握する必要があります。
一方で、読影会社など外部事業者への委託(企業委託型)は、原則として画像診断管理加算の算定とは別に考える必要があります。外部サービスを比較・検討する際は、加算の算定可否だけで判断するのではなく、自院の読影件数、放射線診断専門医の確保状況、レポート返却までの流れ、地域連携のしやすさなどを総合的に確認しましょう。
医療機器の共同利用インフラや遠隔画像診断サービスを上手に活用することで、自院の体制に合わせた最適な画像診断フローを構築しやすくなります。
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