こちらの記事では、画像診断の現状とその問題点と対策について解説しています。さらに、画像診断の誤診リスクを低減するためにどのような技術が活用されているのかという点もご紹介します。
現在、日本国内で画像診断が可能な放射線診断医はおよそ5,500人であるのに対し、稼働しているCTやMRIはおよそ17,000台。さらに、従来は検査1回あたりの撮影枚数は16枚が主流となっていたものの、現在は診断装置が高度化し、中には撮影枚数が300枚を超えるものもあります。このような背景から、現在は放射線画像診断医が不足しているという状況になっています。さらに国内では夜間即時読影に対応している医療機関はほとんどありません。夜間分の読影は朝に回され、放射線科医の日常業務を圧迫しているという面もあります。
以上の状況から、診断が難しい画像だったとしても専門ではない一般の医師が画像診断を行わざるを得ないケースも出てきており、診断の質低下に繋がっているといわれています。
上記でご紹介した通り、現在は撮影画像を読影する放射線科医が不足している状況となっていますが、その影響によって実際にCT画像の見落としによってがん患者が死亡するといった事例も発生しています。
このような見落としなどの問題を解決するために、放射線科医が最終的な確認を行い、所見を主治医に返すというダブルチェックシステムを取り入れている医療機関も多くあります。このシステムによって所見の見落としを防ぎ、精度の高い診断につなげています。
近年では、AI技術を画像診断に活かす取り組みも行われています。
例えば、患者の診断画像がデータベースに保存されると、AIが画像を解析した上で疾患が疑われる部分をハイライトします。そして、診断画像とAIによって生成された分析報告が放射線科医に送られます。これらの分析報告があることにより、放射線科医はこれまでよりも迅速に、精度の高い判断を下せるようになります。さらに、このシステムがクラウド上で提供されているため、インターネット環境があればどこからでも利用が可能となります。
画像診断を行う上で誤診を防ぐことを考えた際、「部位加算」「スライス加算」がポイントのひとつとなってくるといえるでしょう。部位加算とは「画像診断を行う際に特定部位を撮影する際に追加される費用」、またスライス加算は「画像診断で一定の枚数を超える場合の追加費用」を指しています。
画像診断の精度を高めるには、適切な部位・枚数の撮影が必要になりますが、費用を節約しすぎることで遠隔画像診断の際に送る枚数を減らしてしまい、診断の精度低下に繋がってしまう可能性もあります。この点から、誤診や見落としを防ぐには、部位加算やスライス加算の制限がないサービスを選択することがおすすめです。
こちらの記事では、画像診断に関して課題とされている点と、誤診を防ぐための技術について紹介してきました。画像診断にさまざまな技術を活用することにより、放射線科医の負担を軽減し、さらに診断の精度向上に結び付けられる可能性もあります。現在遠隔画像診断サービスとしてはいくつかの選択肢がありますので、それぞれのサービスを比較し、検討した上で導入することがおすすめといえます。
重要所見を見落とす主な原因と防ぐ方法を解説しているほか、遠隔画像診断サービスにより重要所見を拾い上げられた事例を掲載しています。
一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会に所属する企業委託型の遠隔画像診断サービスを対象として調査を実施(※1)。遠隔画像診断サービス選びにおいて欠かせない「品質・信頼性」「セキュリティ」「対応時間」という3つのポイント別に、おすすめの遠隔画像診断サービス提供企業を紹介しています。
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調査時期:2022年11月~12月時点/下記条件に沿って調査・選定
調査対象:一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会(ATS)に所属する正会員55社のうち、公式HPにて遠隔画像診断サービスの詳細を確認できた27社(病院連携型を除く)
【選定条件】
(1)品質・信頼性:調査対象の中で、二次読影とレポートチェックを実施しており、登録読影医の個別情報(経験年数・資格・領域等)を唯一公開していたワイズ・リーディング
(2)セキュリティ:調査対象の中で、保健医療分野のプライバシーマーク(MEDIS)取得情報と、データセンターの多重拠点化情報(災害対策)を唯一確認できたセコム医療システム
(3)対応時間:調査対象の中で唯一、遠隔画像診断の依頼受付・当日返却を24時間・365日体制で実施している情報を確認できたドクターネット