専門医がいない医療施設では、腹部のCTやMRI検査に関して遠隔画像診断を専門機関に依頼しようと検討することもあるでしょう。ここでは、遠隔画像診断を外部に依頼する際の基本事項や、診断によって確認される主な病変について紹介します。
腹部のCTとは、X線を用いて腹部の断層写真を撮影する検査です。造影剤を併用することで臓器や血管の状態の確認や、病変の発見などが行えるようになります。CT検査は撮影時間が短いため、救急対応時にも用いられています。ただし、X線を用いることもあり、被ばくのリスクがあります。
腹部MRI検査は、磁場と電波を用いて断層画像を取得する検査方法です。X線を用いないため、放射線被ばくはありません。そのため、長期経過観察にも適しています。ただし、撮影には比較的長い時間を要します。
CT検査では、腹部全体を順にスキャンする形で画像を取得します。単純CTのほか、造影剤を使用する造影CTがあり、撮影範囲は肝臓や胆嚢・すい臓・腎臓・脾臓などです。X線をコンピューター処理し、体の輪切り像を作って臓器を観察します。検査にかかる時間は約5〜15分程度とされています。
腹部MRIは、主に肝臓、胆のう、膵臓を対象とした撮影が行われます。検査台に仰向けに寝た状態で円筒の中に入って行う検査です。15~60分ほどの時間がかかります。
遠隔画像診断サービスの利用にかかる費用は、1件あたりCT検査が約2,000~3,500円、MRI検査が約2,500~3,500円です。注意しなければならないこととして、基本的に初期費用が発生することになります。相場は数万円~数百万円程度となっており、利用するサービスやサポートの有無などによって異なるので、よく確認しておきましょう。この他に3万~8万円程度の月額費用がかかり、読影費用がプラスされる形となります。
また、企業によっては、CT検査やMRI検査、マンモグラフィなどで1件あたりの費用を設定しているところもあれば、一律にしている企業もあります。土日祝日や夜間などに読影依頼を行う場合は時間外対応料金がかかることになるので、こちらも確認が必要です。
CTおよびMRIは、すい臓がん、肝臓がん、腎臓がん、前立腺がんなどの診断に用いられる検査です。特にすい臓や肝臓は沈黙の臓器と言われており、症状が悪化しなければなかなか気づけません。良悪性の判別が困難だったり、小さな腫瘍は見つけにくかったりするので、画像診断の専門家の力を借りましょう。
胆嚢炎・膵炎・消化管病変といった急性腹症を診断するためには、主にCTが利用されます。腹部臓器が対象とした検査を行う際、CTが短時間で撮影できるため、急性疾患の評価に適しています。ただ腹部は臓器の数が多いことに加えて鑑別疾患が多岐にわたるため、見落としが発生しやすくなります。専門医による画像評価が求められます。
肝臓に脂肪が蓄積され過ぎると脂肪肝と診断されます。放置すると肝がんのリスクが高まるため、早期の発見と対策が重要です。腫瘍の鑑別が難しいこともあるので、専門家による画像診断を受けましょう。
医療施設内に専門家がいない場合であっても、早急な診断と判断が求められることがあります。こういった場合は、遠隔画像診断の活用を検討してみてはいかがでしょうか。遠隔診断サービスの活用により、早期の対応を図ることができます。手術や治療内容を決定する際のセカンドオピニオンとしての役割でも活用可能です。
以下では他にも遠隔画像診断について紹介しているので、こちらもご覧ください。

重要所見を見落とす主な原因と防ぐ方法を解説しているほか、遠隔画像診断サービスにより重要所見を拾い上げられた事例を掲載しています。
一般社団法人遠隔画像診断サービス連合会に所属する企業委託型の遠隔画像診断サービスを対象として調査を実施(※1)。遠隔画像診断サービス選びにおいて欠かせない「品質・信頼性」「セキュリティ」「対応時間」という3つのポイント別に、おすすめの遠隔画像診断サービス提供企業を紹介しています。

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