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読影レポートの保存期間

遠隔画像診断サービスを利用していると、「読影レポートや検査画像は何年間保存すればよいのか」という疑問が出てくることがあります。カルテの保存期間として広く知られる「5年」を、そのまま画像データにも当てはめてしまっているケースも見られますが、実際には画像や検査所見記録には別の法令・別の期間が定められています。ここでは、読影レポートと画像データの法定保存期間、そして遠隔画像診断で外部に保存する場合の注意点を整理します。

読影レポートの保存期間は「何年」か

診療録(カルテ)本体の保存期間は、医師法第24条により5年間と定められています。この5年という数字は広く知られており、電子カルテに関する解説記事の多くもこの期間を紹介しています。

一方で、エックス線写真や検査所見記録などは、診療録とは別の法令に基づく「診療に関する諸記録」として扱われ、保存期間は2年間とされています。これは医療法第21条・第22条・第22条の2、および医療法施行規則第20条・第21条の5・第22条の3に規定されているもので、病院日誌・各科診療日誌・処方せん・手術記録・看護記録・検査所見記録・エックス線写真などが対象に含まれます。

読影レポート(画像診断報告書)そのものがこの「検査所見記録」に含まれるかどうかについて、明確に述べた一次資料は確認できていませんが、実務上は検査所見記録に準ずるものとして扱われることが多いとされています。診療録に添付・引用される形で保存されている場合は、診療録本体と一体として5年間保存されるのが一般的です。自院での取り扱いに迷う場合は、契約している事業者や顧問の医療法務専門家に確認しておくことをおすすめします。

診療録(5年)と検査所見記録・画像データ(2年)はなぜ違うのか

この違いは、根拠となる法律が異なることに由来します。診療録は医師法という「医師個人の義務」を定める法律で規定されているのに対し、エックス線写真等の諸記録は医療法という「病院・診療所の組織としての義務」を定める法律で規定されています。制定の目的が異なるため、保存期間にも差が生じています。

ただし、2年という期間はあくまで法律上の最低限の義務です。人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効は、損害及び加害者を知った時から5年、または不法行為の時から20年のいずれか早い方とされているため、実務上は法定期間よりも長く保存している医療機関も少なくありません。遠隔画像診断サービスを利用する際も、法定期間の2年で画像データを消去してよいのか、それとも長期保存の方針にするのかは、自院の医療安全の方針として別途検討しておく必要があります。

電子保存の3原則(真正性・見読性・保存性)

読影レポートや画像データを電子的に保存する場合は、法定の保存期間を守るだけでなく、「真正性」「見読性」「保存性」の3つの基準を満たすことが求められます。

これらの基準をどのような技術的対応・運用管理で満たすかは、医療機関の判断に委ねられています。遠隔画像診断サービスを選ぶ際は、事業者側がこの3原則にどう対応しているかも確認しておきたいポイントです。

遠隔画像診断で外部に保存する場合の注意点

遠隔画像診断サービスでは、画像データや読影レポートをクラウドサーバーや委託先の外部保存施設に保存する構成が一般的です。その際、データを送る側の医療機関から保存先の施設へ送信している最中に、内容が書き換わったり消えたり、別の患者の情報と混ざったりすることがないよう対策を講じておく必要があるとされています。

契約している事業者が、転送時のデータ保全にどのような対策を取っているかは、契約前に確認しておきたい項目のひとつです。契約書やMDS/SDSの確認方法については、別記事で詳しく解説しています。

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まとめ

読影レポートや画像データの保存期間は、カルテ本体の5年とは別に、検査所見記録として2年という法定期間が定められている点に注意が必要です。ただし法定期間はあくまで最低限であり、損害賠償請求権の消滅時効等を踏まえて、より長期の保存方針を取ることも実務上は珍しくありません。遠隔画像診断サービスを利用する際は、法定期間の理解に加えて、外部保存時のデータ保全体制も含めて確認しておきましょう。

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